最近投稿が出来ていないので、ちょっとTwitterから話題拾ってきました。
#私を作ったゲーム10選 、エルツェナの10選です。
※紹介する並びは、該当作品と出会った順になります…発表順とかではありません。 また、ゲーム説明の内1・2段落目は「だ・である調」による解説、3段落目は「ですます調」になっています、ご注意下さい。
今回、紹介するのはその内1~3…つまり、幼い頃の自分が影響を受けたゲームです。
大半の方は全く名前も聞いたことのないゲームばかりになるかと思いますが、興味を抱かれましたら検索してみて下さい。
1.ソーサリアン(PC-9801版)
日本ファルコム謹製の、シナリオを自由に選べる横スク系アクション型RPG。
システムも世界観も当時の日本ファルコムが並行して出していたイースシリーズの殆どと異なり、クエスト中の見た目もトップビューやクォータービューではなく完全なサイドビュー。
王国『ペンタウァ』に暮らす国民から冒険者を募り、困りごとがあり次第派遣する、という文化背景が下地になっていて、いわばファンタジー系のTRPGシステムで取り入れられる世界観に近く、プレイヤーキャラは4種のクラスにある程度の幅から自作できる(ウィザードリィシリーズに似てはいるがそこまで自由ではない)。
冒険に伴い使える魔法は、装備に込める太陽・月・火星・水星・木星・金星・土星の7属性(これらは各能力値と対応付けされており、込められた数だけ能力が上がる)を組み合わせた内から単一属性等をさっ引いた120通り、薬は5種の薬草を組み合わせた31通り、また冒険に出なかったキャラが行う仕事も60通り(クラス及び性別によって選択の可否あり)とバリエーションが広すぎて、何度もキャラメイクを行わないとコンプは不可能(コンプしても何か貰えるわけでもないが)。
特に魔法の中には『前方に雷を落とす』『前に魔法弾を発射する』『全方位に弾を発射する』といったありふれたものから、『身体を空気に変換する』『先頭の仲間が若返る』といったあまり聞かないもの、さらには『先頭の仲間を石化する』ような耳を疑う魔法まで多種多様(敵も罠もないのに本当に先頭の仲間が石化したときは、この魔法のことを忘れてて相当テンパった記憶が…)。
シナリオは発売時点で15本、後に追加パックで24、またシナリオの公募も行われ、それを元に10追加され合計49本。 元祖となるPC版の発売が1987年なのを考えると、当時のFC用ゲームでは発売当初で太刀打ちできない辺りから、後の追加パック全部加算するともう比にすらなれない数が用意されていた。 更に言えばそれを、システム含め128kByte[1]のメモリ容量で収まるように実現した所が恐ろしい。
好きなシナリオは『消えた王様の杖』『盗賊達の塔』『戦国ソーサリアン』『愛と悲しみのヴァンパイア』『銀の灯が消えた町』『二隻のナルキッソス』『時の神殿』。
好きな曲は多数ありますが、今では(日本ファルコムが音楽フリー宣言をした事もあって)検索すれば自由に聴けますので、一度検索してあれこれお聞き下さい。
2.蟹味噌
ゲーム開発集団Bio_100%がPC98の隆盛期に開発したゲーム。
自機となる青い玉を慣性制御しながら操作し、敵となる赤い玉を赤い壁にぶつけて消していく面クリアゲームで、面によって画面端の壁以外の壁配置や敵玉のサイズと数、床面の勾配(床面に矢印とその長短で表示されている)が換わる一画面系アクション。
青い壁は(ぶ厚ければ)どれだけ高い速度で衝突しても問題はないけど、赤い壁はとある速度以上で衝突すると自機も敵玉も割れ、それが自機だと該当ステージの最初からやり直し。 また赤玉はサイズが大中小の3つあり、大が割れると中2個に、中が割れると小2個に割れ、小が割れてようやく消滅する代わり、小玉2つがくっつくと中玉に、中玉2つで大玉に戻るため、クリアのためにはさっさと各個撃破したいところ。 自機の重量は中玉と同等だけど、床の勾配によっては敵大玉が相手でも強くぶつかって押せる場面が出来ることも。
クリアに時間が掛かると出てくるびりびりや、敵小玉の代わりに時々以上の頻度で出てくる紫玉は触れたらアウトになります。 但しびりびりはともかく敵玉は全部『自機へ真っ直ぐ向かってくる』性質があるので、触れられない場所からでも自機が移動することで、ステージの狭い場所や、勢いを付けた状態で赤い壁に誘導でき自滅も狙えたりする、運と機転と操縦技術が物を言うゲームです。 ステージによっては出たとこ勝負になるケースもあり、割と運の要素は大きいです。
3.ラグランジュポイント
コナミから発売された未来形RPG。
22世紀、地球から巣立つ人類が地球の軌道上に作った3つのコロニーの内、農業用コロニーL2でバイオハザードが発生、大きな被害を出す。 それに呼応してか最高責任者であるプレジデントファイブの3人がクーデターを起こし、二人の内一人を追放、もう片方を幽閉すると、バイオ軍を結成。 追放された元プレジデントファイブの1人は、生き残りをかけて徹底抗戦を訴え、レジスタンスを結成。
自体を重く見た地球から第三次調査隊として主人公が派遣されることとなり、消息を絶った第一次調査隊の足取り調査、及び活動中の第二次調査隊との合流を目指してL1に向かっていた──と言うストーリー。
ゲームシステムはDQともFFとも異なり、共通点は『回復アイテムや回復の特技がある』、『敵を攻撃して倒す』、『能力アップのアイテムがある』、『武器と防具は装備しないと意味がない』くらい。 また、特筆すべきシステムが幾つかあり、『武器合成により1つ上ランクの武器が入手可能』、『屋外移動は基本的に乗り物利用が前提のため、車道以外を行きたい場合はパイロボットが必要』、『物語の舞台は基本コロニー内なので、大半の屋外マップで上下がループする』、『通常攻撃やキットの使用に際しバッテリーを消耗するが、バッテリー容量は買い換えないと向上させられない』、『回復アイテムは人間・サイボーグ用とロボット用、そしてバッテリー用で分かれている』、『武器は装備時に能力値を満たしていなければならない』、『使用キャラには得意属性があるが、敵味方問わず弱点属性はない』くらいか。
特に、屋外マップの上下ループと回復アイテムの違い、あとバッテリー残量には早く馴れておきたい所で、通常攻撃時にバッテリー残量が足りていないと素手での攻撃となり、攻撃範囲が全体であっても単体限定になる上にランクが高ければ高いほど威力が激減するので注意。
音楽にもこだわりが有り、それを実現するためにFM音源LSIを搭載している関係で他ソフトよりお値段が高かったのですが、シナリオもグラフィックも難易度調整もよく、また武器合成で出来上がる武器の選定も気になりました(要素は、ランク、属性、対象敵数の3つです)。 難点があるとするなら、ダンジョンに相当する部分が長いため、バッテリー用回復アイテムは多い目に持っておく事を忘れない様にすること、でしょうか。
中古屋では今いくらで取引されているんでしょうね…? それくらいには人気のゲームですので、手に入らないとお嘆きの方は動画サイトでプレイ動画を検索してみるのも面白いかも知れません。
ただし、純正のファミコンまたはAVファミコンでないと音が正しく出てこないなどの問題を引き起こすようですので、実機で遊ぶ際にはご注意を。
[1]128kByteってどれだけの容量?
当時のPCでは、日本語として常用する平仮名、片仮名、記号、漢字は1文字を表すのに2バイト使いますので、日本語にして65,536文字分の容量に当たります。 今では文字や絵文字によっては1文字が3バイトや4バイトになる場合もありますが、英語で常用するアルファベットや記号なら1バイト、日本語として常用する文字なら殆どが2バイトで済みます(但し、顔文字やAAに使われる各種記号と非日本語圏の文字はその限りではありません)。
とりあえずここでは、『128kByteは日本語で常用する文字65,536文字分』として話を進めます。
この分量を身近なモノで喩えますと、短編小説は1本辺り平均して2万文字と言われますので、3本と4本目の1/4しか覚えておける容量がありません。 なので、メモリに置くのは1~2本だけにして、残りの部分で表示プログラムを作れば、外部記憶となるディスクの容量によっては沢山の短編小説が楽しめるかも知れません。
文章を読めるのなら新聞も読めるのでは、という想像があり得ますので新聞も取り上げますが、朝刊だと最低でも10万文字は超えるようなので、文字だけにしても半分以上収まれば良い方ですね。 これで記事に写真が付いてくるとなると、それだけでもう大事になります…理由は後ほど。
で、格納するのがプログラムだと、この当時は命令は1つにつき最短で1バイト、最長2バイトで、命令によって付与される数値またはメモリアドレスが最短1バイト、最大4バイトなので、合計すると最大6バイトになります。 これを、命令の大半を1~2バイト、メモリアドレスが付いてくる確率を6割程度と荒く平均して『1命令3バイト』と仮定すると、43,690命令程度になります。
そして絵や写真・画像は格納の仕方にも因りますが、このゲームだと背景と共通した8色しか使えないはずで、通常ならドット1個を3ビットで表せます。 このPCでは1バイトは8ビットなので格納できるのは絵の2ドット分まで、上手くまとめても2バイト(=16ビット)で5ドット分(15ビット)が限度[2]になります(理由は別項にて)。 そして表示されるキャラのサイズを共通して横8ドット×縦16ドット、左から右へ横書きするように表示や格納をする…と仮定すると、キャラ1体あたり128ドットで構成されますので、そのまま5ドット当たり2バイトで書き込むと、1キャラ当たり絵だけで52バイト使う事になりますので、仮にメモリ全部をこの書き方のドット絵で埋めるとなると、2,520体が収まることになります。
同じようなやり方で音楽のデータを入れることも出来ますが、こちらは格納の仕方が方式によって別々すぎて想定できないので、ここでは触れません(だってPC98用だけでもBeep音、FM音源と2種類あるのに、機種によってはもう一種のFM音源対応とかMIDI音源対応もしていたそうですから、それらを跨いでデータの保存方法を固定しているとは到底思えませんので)。
話がそれ始めたので元に戻しますが…短編小説平均3本強程度しか入らない所に、ゲームのシステム、音楽のデータ、選んだシナリオ、使う絵や背景セットと表示するデータ、プレイヤーたちのステータス、敵の絵や動きのデータ等を入れておく訳なので、選ばれたシナリオ1本のデータやシステムの全部を同時に使うわけではないにしても、それでもかなり手狭なのは容易に想像が付くと思います。
比較のため掲載すると、前述した蟹味噌を遊ぶにはOSを含めて512kByte、ラグランジュポイントも4Mbit(ファミコンのCPUも8Bitで1Byteとして扱っていますので、Byteに換算するとこれも512kByte。見かけの数字を大きくするため4メガと記載したと思われます)のプログラム+データを使うのですが、ソーサリアンはなんと、その1/4の容量だけでゲームとして成立させているのです。 『必要なデータは必要に応じて外部からメモリに読み込む』としても、『使えるメモリを遣り繰りすること』自体は昔から何ら変わっていないのです…それは、当時と比べてメモリ容量が実に1万倍に増えた今でさえ、特にスマホ向けや組み込み用途だったりすると必ず付いて回っています。
だからこそ、ここまで解った今にして、ソーサリアンというゲームを『よく実現出来たな』と思ったのです。 ほら、『恐ろしい』って書いてあるでしょ?
[2]絵のドット、上手くまとめても2バイトが限度なのはなぜ?
当時のCPUには、『一度にやりとり出来るデータ量は16ビットまで』という限界があったので、16ビットを超えるデータを扱う場合は『扱う単位が16ビット以内になるように意味単位でまとめて、そこで一度区切る』というやり方をしていました(前述した例だと、16ビットまでに収まるのは1ドット分3ビット×5ドット分の15ビット)。 こうした方が、無理矢理データを押し込むより、データを扱うプログラムを簡素に実現でき、その分処理も、またバグ修正も早くなるのです。
これは喩えて言うなら、一週間分の薬を貰った際に1つの袋にそれらを全部まとめてしまうのではなく、毎日の朝昼晩に薬を分けて保存するようなやり方ともいえまして、1回分の飲む分量を理解しやすく、また必然的に飲み間違いをしにくくなるのに似ているかと思います。 そうすれば、ひとまとめにするよりも飲みたい薬を取り出しやすく、また仮に違う薬を取り出してしまっても元に戻しやすいですよね?
4以降の投稿は……他のネタがまとまってくれない場合になるかと思います。
本投稿を含めて3~4本を予定しておりますので、投稿まで今暫くお待ち下さい。