「わふラジ」を支える放送技術

FM翔愛わふわふラジオ 副部長 兼 テクニカルディレクターの厨川です。

今回は、FM翔愛わふわふラジオを支える放送技術について解説します。つらつらと書いてみたら、なんだか玄人向けになってしまった気もしますが、これからラジオをしたいなぁ、という方で機材、設備等にお悩みの方、いつでもキャラフレの中などで質問受け付けますので、ご相談くださいませ。

なお、わふラジでは、Livedoorねとらじさん等でもおなじみの「Icecast2」という放送方式を用いていますが、より安定した放送を行うために、わふラジ専用にサーバを持つ等といった事のほか、以下のようなことを行っています。参考になるようでしたら幸いです。

放送設備について

1号機:Skypeのグループ通話専用に利用

一昔前のデュアルコアCPU搭載の、一般的なデスクトップPCを使っています。わふラジ規模でラジオをされる場合、10名程度のグループ通話の親に、安定してなることが出来る程度の性能のマシンであれば問題無いでしょう。

オーディオカードとしてM-Audio Audiophile 2496を搭載していますが、SkypeではASIO出力出来ないため、ASIO対応デバイスである必要は全くありません(厨川がDTMを特にやっていた頃に使っていたカードです)。今から機材を整える場合、そこそこローノイズなオーディオデバイスを1点買うと良いでしょう。

また、音声裏送り(キュー出し等)の為、USB接続のマイクを用いています。厨川の場合はWii U用のマイクを用いています。

2号機:キャラフレ表示&BGM送出&放送機

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第1世代のCore i7なノートパソコンを使っています。ちょっとたまに性能足りてないなーって思う時がありますが何とかなっています(写真左)。

ミキサー&放送用の音声の送出用オーディオデバイスとして、ALESIS Multimix8 USB2.0を用いています(写真右)。
また、BGMの送出にも、別にUSBオーディオデバイスを用いています。
(厨川の場合は、SONY ECM-PCV80Uというマイクに付属してきたUAB-80というデバイスを用いています)

■放送の送出について

Multimix8はPC上ではASIO対応のデバイスとして動作し、Edcast ASIOを用いて音声データを受け取ります。Edcast ASIOについては以下のURLより入手可能です。

https://code.google.com/p/edcast-reborn/

なお、Edcast ASIOが、後述のIcecast2サーバへ放送データを送出するという流れになっています。送出するデータはMP3形式、32KHz 16bitステレオ音声、96kbpsで送出しています。MP3での送出に必要なlameのDLLは、より低負荷とするためICLビルドのものを選定しています。

■BGMの送出について

BGM再生ソフトにはFoobar2000(http://www.foobar2000.org/)を利用しています。Foobar2000を選んでいる理由は、ギャップレス再生(曲間や1曲リピート時に、無音部分が発生しない)が可能なことです。よって、これが可能なソフトであればなんでも構わないと思います。

通信設備関係

ルーター

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PCで構築したルーターを用いています。わざわざ市販のルーターや業務用ルーターではなくPCルーターを使っているのは、自宅内にあるサーバにわふラジのウェブサイトも設置しているため、将来的にトラフィック不足に陥った時にQoSに対応する必要があり、それを安価に実現するためです。ルーターに使っているマザーボードは、IPMIによる監視が可能なSUPERMICRO製、CPUはPentium4-3.00GHz(HT対応)を使っています。余り物です。

ルーター専用のOSとしてpfSense-2.1RELEASE(http://www.pfsense.org/)を用いており、KernelはSMP Kernelとしています。その他、自宅の外から宅内LANに乗る際のVPNルーターとしても活躍しています。x86系システムでルーターを組む際は、pfSenseのほかにも、Vyatta、DD-WRT、SEIL/x86を選定しても良いでしょう。

豆知識として、フルサイズATXのマザーボードは、ちょうどAmazonの特定のサイズのダンボール箱(A4サイズが入る薄型のダンボール箱)にちょうど収まります。このルーターのケースもAmazonのダンボール箱を利用しています。

各種スイッチ・スイッチングハブ

gs908l

自宅内の全箇所、合計5台のスイッチはすべてGbE対応させてあり、自宅内での遅延は3~10μsec程度に収まるようにしています。現在はすべてAllied-Telesis製のスイッチを用いており、GS908LあるいはGS916XLで構成しています。これについては、のちにQoS対応のGS908M等、QoS対応のスイッチに改装する予定です。写真は自室内に装備しているGS908Lです。

過去にはFoundry(現Brocade)、Juniper、Nortel、ヤマハ(楽器とバイクだけじゃないんですよ!)等のL2/L3スイッチ、ルーターなど、業務用ネットワーク機器を多用した実験要素の多い家庭内LANを構築していましたが、消費電力や騒音等の問題(当時はサーバ台数も多く、月1000kWhほど回していました)もあったことから現在は上記の状態です。

放送用サーバ

さくらインターネットさんのVPSを使っています。OSはUbuntu、そしてIcecast2を導入した、わふラジ専用の放送用サーバです。利用プランは、メモリ1GBと、一番小さいプランで、大阪リージョンです。これで大体60名前後~80名前後が同時受信出来る程度のキャパシティがあります(というかそのあたりまでしか確認していません)。

Icecast2上での放送キャッシュ量は4秒分程度ですが、皆さんがチャットにメッセージを書いていただく段階でも若干のラグがあるようで、パーソナリティは大体15秒遅れぐらいで皆様からのチャットログを拾っております。

Webサーバ

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自宅に設置しているサーバです。こちらで、わふラジのWebサイトをホストしています。当然ですが、サーバーですので24時間稼働です。移行前のサーバは自作、現在稼働中のサーバは、稼働8年程度になるPowerEdge SC430、移行準備中のサーバはPowerEdge SC440です。現在稼働中のサーバはメモリ2GB前後ですが、準備中のサーバは余裕のメモリ8GBを奢り、CPUも高速なものに換装しています。移行準備は順次行っていますが、中の人が社会人ということもあり、あまり作業が進んでいません。

なお、このサーバはUPSに接続してあり、20分程度であれば急な停電にも耐えられるようになっています。

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